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どのクラフトジンを選ぶべき?ジンの分類や価格帯をチェック!

日本や海外では現在、数え切れないほどの銘柄のクラフトジンが販売されています。「クラフトジンを試したいけれどどれを選べばいいか分からない」と悩んでいる方は、少なくないのではないでしょうか?

そんな悩みを解消するためにこの記事では、クラフトジンを特徴ごとに分類して解説していきます。またここでは、クラフトジンを選ぶにあたって気になる価格帯についても紹介いたします。意外とリーズナブルな価格で販売されているクラフトジンもあるので、ぜひ購入してみてください。

1 クラフトジンの種類とは?EUによる定義上の分類を解説

様々なジン

日本国内の各地の蒸留所で、多くのクラフトジンが作られています。しかし日本にはジンの定義上の分類というものは存在しません。

一方で欧州では「ジンは3つに分類される」と定義づけています。この分類というのがGin(ジン)とDistilled Gin(蒸留ジン)、そしてLondon Gin(ロンドンジン)の3つです。

まずは、EUが掲げるジンの明確な定義について確認していきましょう。

Gin(ジン)

1つ目の分類である「ジン」とは、条件に従って作られているすべてのお酒のことを指します。ヨーロッパでジンを名乗るためには以下の2つの要素を満たす必要があります。

条件1:アルコール度数が37.5%以上ある

条件2:アルコール度数が95%以上の蒸留段階でジュニパーベリーを使った香味付けをする

ジンとはベースとなるスピリッツに天然または人工の香料で香り付けしたお酒のことです。ジュニパーベリーを使っていれば、あとはどのようなボタニカルを使っても問題ありません。

なお、この定義はEUが定めたもので、ヨーロッパ以外ではジンの定義が多少異なります。例えばアメリカでは、ジンのアルコール度数を40%以上と定義しています。

ジンのうち、スピリッツに直接ボタニカルを漬け込んだものをコンパウンドジンと呼ぶことがあります。深く華やかな香りがあるコンパウンドジンは、ボタニカルそのものの香りや味わいを楽しみたい方におすすめです。

ほかに、スロー・ジンやジュネヴァ、シュタインヘーガーなどがジンに分類されるお酒です。

Distilled Gin(蒸留ジン)

2つ目の分類である蒸留ジンとは、蒸留アルコールを再蒸留して作られるジンのことです。

ジンを製造する際には蒸留を行います。このときボタニカルを浸漬して再蒸留するか、蒸留アルコールを再蒸留した蒸気でボタニカル成分を抽出する必要があります。

蒸留ジンとして知られるジンの代表格としてヘンドリックスジンが挙げられます。

London Gin(ロンドンジン)

ロンドンジンは「EU放棄:スピリットドリンクに関する規則」でその条件を厳格に定められています。その定義には以下のようなものがあります。

条件1:農作物由来のエチルアルコールのみを使って作られていること

条件2:追加されるエチルアルコールは通常の基準のものよりハイクオリティなものであること

条件3:メタノール含有量は100%のアルコール1ヘクトリットルあたり5グラム以下とすること

条件4:天然の素材のみで香りづけをし、人工の香料や着色料を使用しないこと

条件5:蒸留後のアルコール度数は少なくとも70%、出荷時のアルコール度数は37.5%以上であること

条件6:甘味料の含有量がインバートシュガー換算で0.1グラム以下になること

条件7:蒸留後の風味づけはしないこと

条件8:アルコールや自然由来の風味づけ材料、水以外のものを使わないこと

このように、ロンドンジンには数多くの定義がありますが、この取り決めによって世界中のジンのクオリティが安定するようになりました。

ロンドンジンはその名に「ロンドン」とありますが、ロンドンで製造する必要はありません。上に挙げたロンドンジンの条件を満たしていれば、どんな場所で造ってもロンドンジンを名乗ることができます。

ロンドンジンの大きな特徴は、人工成分を使用していないため香りや味わいが洗練されているという点にあります。また、ジュニパーベリーを主役に立てるよう造られているロンドンジンは多く、その少しウッディな香りをじっくりと堪能できるのも特徴的です。

ロンドンジンはクラフトジンのベースとなっているジンです。つまり、日本国内や世界各国で造られているクラフトジンは、ロンドンジンの製造条件に沿うような形で造られています。

2 香りや味わいごとにクラフトジンを分類してご紹介!

ジンは製法によって香りや味わいが大きく変わるので、どんな雰囲気のジンなのかを大まかに知りたいという方も少なくありません。ここからは、ジンを雰囲気ごとに4つに分類し、それぞれの特徴を解説していきます。

・シンプルなスタンダードタイプ

こちらはいわば「定番の味わい」といった雰囲気でバランス良く仕上げられているジンのことを指します。

スタンダードとはいえ、多くのジンにはしっかりとしたジュニパーベリーの香りがついています。基本となるジュニパーベリーに加え、アンジェリカやオリスルートなどクラシカルなタイプのボタニカルが使われている銘柄もたくさんあります。

スタンダードなタイプのジンはあらゆるカクテルとの相性がよく、どなたでもすっきりと美味しく飲むことができます。ジンを初めて飲む方なら、スタンダードなタイプを選ぶのが安心です。

スタンダードタイプに分類される人気銘柄にはビーフィーターやタンカレー、ボンベイといったものがあります。

・香り高いフローラルタイプ

フローラル

ふんだんにボタニカルを使用して造られたクラフトジンはとても華やかな香りに仕上がります。香り高いフローラル系のジンは「飲む香水」と評価され、まるでアロマテラピーのような気分で飲むことができます。

フローラルタイプのジンにはラベンダーやエルダーフラワー、ローズなどフラワー系やハーブ系のボタニカルが多く使われています。

フローラルタイプのジンは意外と味わいが柔らかく、初心者でも気軽に楽しめます。また、女性からの人気が高いのもフローラルタイプのクラフトジンです。

フローラルなジンといえばやはりサイレントプールジンやヘンドリックス、ジェネラスなどが人気です。

フローラル系のクラフトジンをアレンジするのなら、ジントニックで素材本来の香りを楽しむのがおすすめです。また、マティーニやホワイトレディといったカクテルにも向いています。

・爽やかなフルーティータイプ

フルーティー

ボタニカルにフルーツを使ったジンは、爽やかでフルーティーな味わいが特徴的です。

フルーツ系のクラフトジンには、ボタニカルとしてオレンジピールやレモンピールのほか、ラズベリーなどのベリー類、ブドウなどがふんだんに使われています。また、クラフトジンのベースとなるスピリッツを果物で造っている銘柄もあります。

例えばサンタマリアロンドンドライジンはブドウスピリッツをベースにし、ボタニカルにラズベリーやピスタチオを使って仕上げています。爽やかで後味のいいクラフトジンをお探しなら、フルーツをたっぷりと使って造られたものを選んでみてはいかがでしょうか。

・独特なハーバル、スパイスタイプ

スパイス

ハーブ類やスパイス類をボタニカルとして使ったクラフトジンは、独特とした風味のお酒を楽しみたい方におすすめです。

ハーバル系やスパイス系のクラフトジンはそれぞれ味わいが異なるため、飲み比べて自分好みのものを見つけてみましょう。例えばペッパー系のボタニカルを使ったものは少しピリッとスパイシーな味わいです。バジルやタイムなどハーブ由来の銘柄は鼻に抜けるようなスッとした爽快感があります。ほかにも、シナモンやクローブ、コリアンダー、ローリエなど、特徴的なハーブやスパイスを採用しているクラフトジンが数多くあります。

ハーブ系やスパイス系のクラフトジンには、シュタインヘーガーやボビーズジン、エンプレスなどが挙げられます。ハーブやスパイスの特徴的な風味を活かしてショートスタイルのカクテルを作り、味わってみましょう。

3 クラフトジンの気になる値段は?価格帯をチェックしよう

how much

クラフトジンは蒸留所ごとに丹精込めて少量生産されているお酒です。そのため「販売価格がかなり高いのでは」と感じる方もいると思います。

しかし、かなりリーズナブルな価格で試せるクラフトジンもたくさんあります。もちろん中には高級路線のクラフトジンもあり、その価格帯には大きな幅があります。

ここからは、クラフトジンの値段について詳しくチェックしていきましょう。

・リーズナブルな1,000円台からのクラフトジン

クラフトジンのショッピングサイトを検索すると、1000円以下という価格で販売されているクラフトジンもいくつかあります。

また、大手メーカーのクラフトジンも比較的安価で販売されています。例えば最近注目を集めているサントリーのジャパニーズクラフトジン「翠」は700mlのものでも1,500円以下で購入できることがあります。

かなり価格を下げてオリジナルのクラフトジンを販売している国内クラフトジンメーカーもあります。1,000円台で販売されているクラフトジンの中にも高品質かつ味わいのいいものは数多く存在しています。まずはお試しといった感じで、リーズナブルな価格のクラフトジンを購入してみるのもよさそうです。

・コンパクトなクラフトジンはお手頃なものが多い

店頭や通販サイトでクラフトジンを購入するときには、内容量にも注目しましょう。

100ml300mlといった小瓶サイズのクラフトジンならリーズナブルな価格のものもたくさんあります。大瓶サイズで4,000円台、5,000円台といった高級クラフトジンの銘柄でも、小瓶であれば価格を気にせず手に取ることができます。

まずは内容量が少なく価格もお手頃なクラフトジンを購入し、どんな味わいなのかを試してみるのもいいかもしれません。

・手に取りやすい2,000円台からのクラフトジン

味わいが豊かで高い評価を得ているクラフトジンを選びたいのなら、2,000円台~3,000円台のものに注目しましょう。

例えば人気のボンベイサファイヤやヘイマンズ オールド・トム・ジンなどを2,000円台で販売している通販サイトは少なくありません。日本のクラフトジンメーカーの銘柄でも、例えば中野BCの槙 KOZUE、濱田酒造のジャパニーズクラフトジン樹々(JUJU)などは比較的リーズナブルです。

・プレゼントにも最適な3,000円からのクラフトジン

日本や世界のクラフトジンの相場は3000円台~4000円台くらいです。

3,000円台のクラフトジンは種類が豊富で、例えば世界各国の銘柄ならタンカレーやビーフィーター、キングスバリー、ヘンドリックス、ヘイマンなどがあります。

また、国産のクラフトジンに3,000円台~という価格を設定する蒸留所は多いようです。サントリーのジャパニーズクラフトジンROKU、鹿児島のJapanese GIN 和美人など注目の銘柄も、3,000円台で購入できます。

日本のクラフトジンの草分け的存在といわれる京都蒸溜所の「季の美」は4,000円台~といった価格で販売されています。このくらいの価格帯のクラフトジンはご自宅用だけでなくプレゼント用にも適しています。

・一度は試したい!5,000円以上のクラフトジン

「せっかくなら高級路線のクラフトジンを味わいたい」という方には、5,000円以上のクラフトジンをおすすめします。

海外銘柄なら、ジェネラスジンやモンキー47は比較的価格が高めです。この2つの銘柄は数多くのボタニカルを使っており、極上な香りを堪能できることから人気を集めています。これぞクラフトジン、といった芳醇な香りを味わえる銘柄をぜひ試してみましょう。

日本国内の銘柄でも、じっくりと手をかけて造られているクラフトジンはその価格も高めです。プレゼント用として化粧箱に入ったタイプのクラフトジンも数多く販売されています。

まとめ:クラフトジンを購入するときにはその分類や値段を確認しよう

EUではクラフトジンを製法ごとに分類しています。また、クラフトジンに使われているボタニカルごとに、その特徴を分類してチェックするのもいい方法です。

実店舗やショッピングサイトには、さまざまなクラフトジンが並んでいます。1000円以下のものから5,000円以上のものまでその価格帯には大きな幅があります。クラフトジンの特徴や値段を比較し、これだと思える1本を購入してみてください。

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