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クラフトジンの味や香りの特徴は?ジンを堪能する飲み方を解説

最近ではスーパーやコンビニ、ネットショップなどでクラフトジンを見かけることが増えてきました。

しかし、クラフトジンと普通のジンは何が違うのでしょうか?そして、クラフトジンの味や香りはどのように特徴づけられているのでしょうか?

今回は、クラフトジン独自の特徴や個性をチェックしながら、その人気の理由を探っていきます。またこの記事では、クラフトジンの香りや味をじっくりと楽しむための方法についても解説していきます。

クラフトジンは一般のジンと何が違う?味や香りの特徴とは?

クラフトジンはジンの一種ですが、その製法や味わいにはオリジナルの特徴があります。まずは、「クラフトジンとはどんなお酒なのか」について考えていきましょう。

クラフトジンは造り手が自由に「クラフト」するお酒

クラフトジンの造り手

クラフトジンの「クラフト」という言葉には、「職人が丹精込めて1つずつ手作りした」、「オリジナルのノウハウを元に技巧を凝らして作られた」といったニュアンスが込められています。クラフトジンとはいわば、職人がこだわりを込めて少数生産で作られたアイテムなのです。

多くの場合、クラフトジンを名乗るお酒は小規模な蒸留所やメーカーで作られています。いくつかのクラフトジンを飲み比べてみると、その香りや味わいがそれぞれ大きく違っていることに驚かされるかもしれません。実はクラフトジンの製法には明確なルールがほとんどなく、造り手がある程度自由にアレンジを加えることが可能です。

ただし、ジンとして認められるためには37.5%以上という一定のアルコール度数が必要です。また、ジンには必ずジュニパーベリー(セイヨウネズ)と呼ばれるボタニカルを使用しなければなりません。

それぞれの造り手はこの基本条件を守った上で、こだわりのボタニカルを加えてクラフトジンを作り上げています。

クラフトジンの「ジュニパーベリー」とはどんなもの?

ジュニパーベリー

クラフトジンの一番の魅力はやはりその独特の香りにあります。

ジンの製造工程では必ずジュニパーベリーと呼ばれるボタニカルを使います。ジュニパーベリーは西洋杜松(セイヨウネズ)と呼ばれる針葉樹の木の実です。

「ベリー」という名を冠しているものの、ジュニパーベリーにはブルーベリーやラズベリーのような甘酸っぱい風味はありません。どちらかというと、木の実らしいウッディな香りや、ややスパイシーな香りを感じられるボタニカルです。自然由来のすっきりとした香りの中に、ほのかな甘い果実の香りを感じられるのがジュニパーベリーの特徴です。

クラフトジンの風味を左右する「ボタニカル」とは?

ボタニカル

クラフトジンの造り手はそれぞれ、いくつかのボタニカルをオリジナルの配合で加えてオリジナルのお酒を作り上げていきます。

よく使われるのはレモンやオレンジピールといった柑橘系のボタニカルです。また柚子やグアバといった柑橘類がボタニカルとして使われることもあります。柑橘の香りをふんだんに含んだクラフトジンはさっぱりと爽やかな香りに仕上がります。

ラベンダーやカモミール、ペパーミント、タイムやローズマリーなどハーブ類をボタニカルとして使ったクラフトジンは香り高い仕上がりになります。たくさんのハーブをブレンドした銘柄は「飲む香水」と評価されることがあるほどです。

生姜やシナモンといったスパイスを使ったキリリとした風味のクラフトジンもぜひ試してみたいものです。スパイスベースのクラフトジンは、フレッシュかつ爽やかな香りや味わいが魅力的です。

日本の食材を使って特徴的なクラフトジンを作るメーカーもあります。煎茶や玉露、抹茶、山椒、桜の花などのボタニカルを使ったクラフトジンは、和の風情があふれる雅な雰囲気です。

せっかく日本のクラフトジンを選んで味わうのなら、ご当地の食材をボタニカルとして使っているものを選びましょう。中には和歌山のコウヤマキ、北海道の日高昆布、沖縄のゴーヤなど、変わった食材を使ってクラフトジンを作るメーカーもあります。「おいしいのかな?」と気になるかもしれませんが、多くのメーカーではバランスにとことんこだわってボタニカルを調合しているので、あまり心配はいりません。

独特の風味があるクラフトジンは飲みにくい?

クラフトジン

クラフトジンにはジュニパーベリーとともに複数のボタニカルが使われるのが一般的です。ボタニカルで複雑に香り付けされたクラフトジンには、独特の風味があります。

「ハーブの香りが好き」「さまざまなアロマに興味がある」という方であれば、香り高いクラフトジンはきっとお気に入りのお酒になることでしょう。クラフトジンに興味を持っているのなら、スピリッツ本来の風味をしっかりと堪能できるストレートやロック、水割りといった飲み方を試してみてください。

一方で、強い香りがあまり得意でないという方は、個性の強いクラフトジンに対して少し苦手意識を感じることもあるかもしれません。しかし、いくつかのクラフトジンの香りを比べるうちにお好みのクラフトジンに巡り会える可能性は十分にあります。

個性的なクラフトジンであっても、カクテルにアレンジしたりソーダで割ればかなり飲みやすくなります。

クラフトジン本来の味わいを楽しみたい!基本の飲み方をチェック

クラフトジンの飲み方

ジンに対して「カクテルの材料」というイメージを持っている方は多いものです。クラフトジンはストレートやロックといったシンプルな方法でも楽しめますが、こういった方法でジンを飲むことに馴染みが薄いと感じる方もいるのではないでしょうか?

クラフトジンは一般のジンと比べて香りや風味が強いのが特徴的です。銘柄によって異なるクラフトジンの個性を引き出すのなら、むしろストレートやロックといった飲み方がおすすめです。

ここからは、クラフトジン本来の魅力堪能できる、おすすめの味わい方を紹介します。

まずはクラフトジンを「ストレート」で!

クラフトジンの香りや味わいをダイレクトに知りたいのなら、まずは直接ストレートで味わってみましょう。少量のジンをグラスに入れ、常温のストレートで味わえば、その個性を余すことなく堪能できます。

とはいえ、多くのクラフトジンはアルコール度数が40度以上あるため、飲みやすいとは言いがたいものです。クラフトジンをストレートで飲むときには、テイスティングといった雰囲気でごく少量を注ぐとよいでしょう。

クラフトジンの「オン・ザ・ロック」は絶品!

香りの良いクラフトジンを手に入れたら、オン・ザ・ロックでもぜひ味わってみたいものです。

一般のジンはカクテルの材料にすることが多く、オン・ザ・ロックで味わう機会はあまりないかもしれません。しかし味わいにそれぞれ独特の個性をもつクラフトジンは、ロックでもじっくりと楽しめます。

オン・ザ・ロックでクラフトジンを飲むと、時間とともに少しずつ氷が溶けて味わいが変化していきます。ひとりでゆっくりと考え事をしながら、あるいは家族や仲間同士で語らいながら、時間をかけてオン・ザ・ロックのクラフトジンをたしなむ時間はまさに極上です。

オン・ザ・ロックのお酒に使う氷は自宅の冷凍庫で作ったものよりも市販のものがおすすめです。市販の氷は大ぶりで溶けにくいため、クラフトジンの味わいを長く楽しめます。また、市販の氷には水道水特有のカルキ臭さもないため、クラフトジンの風味が引き立ちやすいのです。

クラフトジンを「ミスト」でキリッと冷やす

大きな氷を使った飲み方を「オン・ザ・ロック」と呼ぶのに対し、小さな氷をたくさん使う飲み方を「ミスト」と呼びます。

ミストを作るときにはまず、クラッシュアイスをロックグラスにたっぷりと入れます。ここにクラフトジンを注いで軽く混ぜればジンミストの完成です。

この飲み方がミストと呼ばれるのは、グラスに水滴がたくさんついて曇りが生じるためです。アルコール度数の高いクラフトジンを使ってミストを作るとすぐに氷が溶け始め、グラスの外側がしっとりと湿ります。

クラッシュアイスでクラフトジンをキリリと冷やし、さっぱりと楽しんでみましょう。

クラフトジンの「水割り」は飲みやすい

クラフトジンの水割りは、「アルコール度数が高いお酒に飲みにくさを感じる」という方でも気軽に楽しめます。

水割りを作るときにはまずグラスに氷をたくさん入れます。ここにクラフトジンを少量入れたら、マドラーなどで混ぜてしっかりと冷やしていきましょう。この段階で少し氷が溶けてしまうのでさらに氷を継ぎ足し、続いて天然水を注いでいきます。これをマドラーなどで軽く混ぜればでき上がりです。

水割りの配合はクラフトジン1に対して水23くらいの割合ですが、お好みに応じて濃さを調整してみてください。

本来の香りを楽しむなら「トワイスアップ」

クラフトジンの香りを深く堪能したい方にはトワイスアップという飲み方をおすすめします。

トワイスアップは水割りによく似た飲み方ですが、その配合は1:1と決まっています。水割りとは異なり、トワイスアップでは氷は使いません。

トワイスアップの魅力は、そのお酒本来の香りを心ゆくまで楽しめるという点にあります。クラフトジンと水の量がちょうど同量になるよう調整したうえで、香りをゆっくり味わってみましょう。

クラフトジンの「炭酸割り」で爽快に!

クラフトジンの炭酸割りは、いわゆるジンソーダというカクテルのことを指します。クラフトジンをソーダで割れば、さっぱりと爽やかな風味を感じられます。

まずはグラスに氷を入れて、ここにお好みの量のクラフトジンを注ぎます。この段階でマドラーを使い、氷とクラフトジンをなじませるのがポイントです。氷とクラフトジンが十分に混ざってグラスがキリッと冷えたら、炭酸水を注いで仕上げていきます。

炭酸はその泡立ちでクラフトジンと自然に混じり合います。マドラーでぐるぐると混ぜてしまうと炭酸が抜けて味わいが損なわれてしまいます。マドラーをそっと差し込み、氷を少しだけ動かすようなイメージで軽く混ぜて仕上げましょう。

炭酸割りはキンキンに冷やした方が美味しいため、氷はたくさん入れるのがポイントです。

クラフトジンの「お湯割り」でホッと一息

「ジンはトニックウォーターや炭酸で割って冷たいドリンクとして飲むもの」と思われがちなので、クラフトジンのお湯割りはあまり馴染みがないかもしれません。しかし、寒い夜やリラックスしたい日のホットジンは、体にじわりと沁みわたります。

ホットジンを作るときにはまず、60℃くらいのお湯をグラスに注ぎます。このとき、お湯の量は全体の3分の2くらいにしておきます。続いて3分の1の量のジンをそっと注ぎ、軽くかき混ぜれば完成です。

少しお湯の温度を上げたりクラフトジンの割合を増やしたりすると、また違った味わいを堪能できます。あれこれと調整し、お好みの飲み方を見つけてみましょう。

ホットジンと干物のペアリング検証した動画もぜひご覧ください!

【まとめ】特徴的な香りをもつクラフトジンをじっくりと味わおう!

クラフトジンは一般的なジンに比べて香り高いという特徴があります。さまざまなボタニカルを配合して作られた銘柄は「飲む香水」と呼ばれるほどの強い香りを放つこともあります。

この記事ではクラフトジンをストレートやオン・ザ・ロック、ミスト、水割り、トワイスアップ、炭酸割り、お湯割りで飲む方法をご紹介しました。水や氷のみを使ったシンプルな飲み方なら、クラフトジンがもつ本来の香りをじっくりと感じられるはずです。

せっかくクラフトジンを飲むのなら、その香りを心ゆくまで堪能できる飲み方を試してみましょう。

 

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